ボーイスカウト教育の特徴の第1は、「青少年の自発活動であること」と日連のHPにも書いてあります。
確かに、我らがカブ隊スカウトは、とても自発的です。
例えば、前回の高齢者施設訪問の準備や本番の活動でのこと。
みんなでダンスをする時、「隊長、僕にピアノ伴奏をやらせて下さい」と言って来てくれたHくん…
振り付けにオリジナルのアイデアを次々に出してくれたSくん、Nくん、Eちゃん…
他のスカウトの頑張りを見つけて、教えに来てくれるKちゃん…
明らかにダンスは苦手そうなのに、他のスカウトを見ながら一生懸命踊ってくれるRくん、Yくん…
おうちでご両親に隠れて、こっそり練習して来てくれたというKくん、Eくん…
いつも組集会を楽しく盛り上げてくれるTちゃん…
はにかみながらも、強い意思を持った笑顔で活動に取り組んでくれるMちゃん…
指揮をしてくれる人!と募ると必ず真っ先に手を挙げてくれるRちゃん、Mちゃん…
「やくそくとさだめ」の斉唱をみんなの前でやってみる?と聞くと「オレ、やります!」と元気な声でカンペキにやってのけた、入隊したばかりのTくん…
「隊長、次はサッカーがやりたいです!」と手紙をくれた、スーパーカブ目指して爆走中のSくん…
「隊長、見に来て下さい」と、頑張っている習い事の発表会の招待状をくれたYちゃん…
今は遠く離れた場所にいて、活動に来れないのに練習してくれているSくん…
いくら書いても書き切れない程、カブスカウトのヤル気はいつも溢れんばかり。
たくさんの自主的な意見が出る中、自己主張だけをぶつけ、他の意見を否定し合うのではなく、むしろ支持し合い、応援し合い、協調してもっと楽しい活動につなげて行ってくれる…
みんな、本当に素晴らしいスカウトたちです。
しかし、最初からこんなに積極的・自主的なスカウトばかりではありませんでした。
なんだかモゾモゾしていたり、なるべく隊長と目を合わさないようにしていたり(笑)
でも、な~んかやりたそうな、いたずらそうなワクワクした目をしてはいるんですが…
自分でそれを表明するって、彼らには相当大きな勇気がいるようですね。
スカウトがこうして自分の考えを、勇気を持って発表し、お互いに尊重・応援し合えるようになったのは、スカウト同士が起こしている化学反応のおかげなんだろうな、と思います。
学校と違い、カブスカウトでは3学年混在で5~6人の「組」という小集団の中で、先輩スカウトや、後輩スカウトと力を合わせて、他の組と競ったり遊んだりします。そうしているうちにまず、自分や自分の意見がこの「組」には必要なんだ、という自覚が芽生えているように見えます。
次に、やはり数十人の子どもに対して担任の先生が1人の学校とは違い、
カブスカウトは、この5~6人の「組」に対してデンリーダーが1人。さらに、多くの指導者・保護者さんが、スカウトたちが自主的に動いても安全が確保できるよう見守ってくれたり、親とは違う角度から各スカウトの成長に気付き、褒めてくれたりします。
多くのいろんな目と手があることで、スカウトのちょっとした勇気やがんばりに気付き、スカウトがやりたいことを「やってごらん」と言ってあげられる場所を作れるのかな、と思います。
何より、仲間が頑張っている姿に近くで触れることは、スカウトにとって「追い付きたい!」「負けたくない!」と、何よりの起爆剤になるようですね。
先日、あるカブ隊指導者さんが教えてくれました。
「ちょっと不安はありますが、指導者をやってみようと思いました。
そういえば昨年、まだ保護者だった時に参加したイベントで、あるスカウトから
『指導者になれば?』と言われたことを思い出しました。」
そのスカウトに、なぜそんなことを言ったのか尋ねてみると
「だって、こんな指導者さんがいてくれたらいいな~って思ったから。」
……スカウトが、指導者をスカウトしていたんです!!
ボーイスカウト活動は、そもそも「スカウティング・フォア・ボーイズ」を読んだ青少年たちが、そこに書いてある「ボーイスカウト」なるものをやってみたくて、ご近所で隊長や指導者をやってくれそうな大人を見つけて来て、隊を組織したのが始まり、と言われています。
スカウトは、自分の指導者も自分で選ぶんです!
子どもは大人を、本当によく見ていますからね。
スカウトのまっすぐな目は、私たち指導者や親の背筋を正し、育ててくれています。
もちろんスカウトは、活動に来たくなかったら来なくていいんです。
いつもの仲間と楽しく遊びたくなったら、集まればいいんです。我らがブラウンシーの森へ…
…いつも、ずっと、そうだったのに…急に集まれなくなった、このコロナ騒動が本当に、本当に悔しいです。
早くカブスカウトに会いたいな…
ボーイスカウト春日部第9団カブ隊隊長 岡井一希
Very creativee post