コロナという世界的な感染症により、世界の構造が大きく変わろうとしています。
人間の行動パターンが急激に変化、必要とされる業種が変わりました。
今回のコロナ禍をとおし、いつ何が起こるか分からないという認識を全ての人が持ったと思います。
さらに今後、デジタルトランスフォーメーション(DX)と脱炭素の波が押し寄せます。
どの国も次の時代のイニシアチブを取ろうと必死です。なりふり構わぬ行動が目につきます。
われわれも、世界に合わせた生き方へ変えていかざるを得ない日が必ず来ます。
その中の一つとして、IT業界での動きについて紹介します。いま、IT業界では第4次産業革命が起きていると言われています。社会の構造や、必要とされる仕事がガラリと変わる大革命です。
その革命のなかで大本命とされているのがAI(人工知能)です。現在AIを活用したサービスがどんどん増えています。
AIは、様々な情報から最適解を導きます。蓄積された膨大な情報があれば、あらゆる問いに最適な回答を出してきます。人間にかわり判断を下すことが可能です。
【AIの活用シーン】
・チャットによる問い合わせの自動応答(将来的には電話オペレーター)
・採用試験(人の能力の選別)
・自動運転
・分析業務(膨大なデータから傾向や特徴を見つける、最適解を見つけるなど)
・需要予測(将来の予測)
・あらゆる業務の効率化(PCや電話、紙、メール、FAXを使う仕事のAIへの置き換え)
・アシスタント(その人の好みを分析、おすすめのドラマや音楽、おすすめの献立などを提案)
AIは自然言語を理解できます。膨大な会話や文書、画像、データを理解するのが得意です。文書の間違いや、そこから読み取れる隠れた情報などを一瞬で見つけます。膨大な情報を人間が把握して何らかの判断をする必要がなくなるのです。ベストな答えをAIが寝ずに一瞬で導きます。
将来的には、病気の診断や、裁判、戦争などもAIが活用されていくでしょう。(病気の診断はAIが正しい診断をしても最終的には医者が判断、ということになるのでしょうが)。残念なことに、戦争にもAIは活用されます。国のアキレス腱をAIを使って探ったり、AIを使った無人兵器が作られたりします。
そのうち、人格のコピーも可能になるでしょう。その人の会話を全て記録すれば、どんなときにどんな反応をするかAIが理解し、同じような会話をすることも可能になります。人間の話し相手が機械、というのも近い将来現実となります。
こんなAIの台頭により、将来必要とされる仕事はがらっと変わります。生き残れる職種は、
・対面でのサービスが適切と思われる仕事(医療、介護、教育、営業、サービス業など)
・エンターテインメント(芸術、音楽、プロスポーツ、芸能、出版、映像、料理など)
・肉体労働(工事、建築、製造、保守、流通など)
・AIでは答えが出せない、新たな発想力を必要とする仕事(研究、設計、デザイン、商品企画、新製品開発など)
・人やAIを統括する仕事(マネージャーや経営者)
・システムを作る仕事(システムエンジニア)←これもある程度AI化が可能
・新たなビジネスを作る仕事(新たなサービスを発想したり実行する仕事)
・ネゴシエーターやプレゼンター(相手にアピールしたり交渉したりする仕事)
などです。しかし、これらの仕事もAIによる効率化が図られるので、就業者数自体は減っていくと思われます。
マニュアル化が可能な仕事はどんどん淘汰されます。自分の仕事がいつなんどき、機械に取って代わられるか分かりません。
将来的にはAIを搭載した人間とそっくりのロボットも実用化されるでしょう。そうしたら、人間の仕事はさらに機械に取って代わられます。
AIにより、収入は二極化すると言われています。経営したり企画したりする人たちは高収入、単純労働に従事する人たちは低収入となります。中間層はAIに取って代わられます。
残念ながら日本は、デジタル化において後塵を拝していると言わざるを得ません。よりよいサービスや技術は、ほとんどアメリカを主とする海外勢によるものです。
日本勢は、海外製の基盤を使って日本向けにサービス提供をしているに過ぎません。ということは、高収入を得られる人たちは海外にいるが日本にはあまりいない、ということになります。
明日は安泰の時代は過ぎました。あらゆる変化に対応する力が必要です。
では、身を守るためにはどうすればよいのか。
常に、世界視点で物事を考え、必要と思うことを「実行」していく力を蓄えていくことが重要です。
「やろう!!」と思ったことへ突き進む力と行動力が必要です。そして、失敗しても何度でも立ち上がる力が必要です。行動力があれば、考えたことを考えたことで終わらせることなく、実行に移すことができます。あのとき、ああしておけばよかった…、ということを減らすことができるのです。また、行動できるということは、社会の変化に敏感に反応することができます。変化を恐れ悩んでいる人たちをよそ目に、ちゃっちゃと次の行動に移るのです。
ではどうすればよいのか?その答えのひとつがボーイスカウトだと思っています。
ボーイスカウトが活動するとき、スカウトは自分、またはチームで考え、行動します。
何からの活動をするとき、目標となるゴールに向かって、どう行動すべきか自ら考えます。大人が主体になることはありません。
企画や計画を立て、仲間で議論し合い、準備を行い、実行に移すのです。実際に「実行する」、これがとても大事です。やってみた結果がどうなったか身をもって体験するのです。
もちろん失敗もします。あちこちで予想していないトラブルに遭うでしょう。そこをどう解決していくのか、その場の判断が求められます。
何かが起きたとき、いちいち文句を言い、人のせいにしていると何も進みません。自ら解決する意思がないと進みません。判断力と覚悟が求められます。
そうした経験こそが、これからの社会で臨機応変に対応できる能力を育みます。変化の激しいこれからの社会に対応できる力の基礎となります。
ボーイスカウトって、キャンプしたり、町の清掃したり、登山したりするんでしょ?他人のためにがんばるんでしょ?というぐらいのイメージしかないかと思います。確かにこれらの活動はします。しかしこれらは手段であって目的ではありません。社会で活躍できる人材を育てること、これがボーイスカウトの目的です。キャンプやボランティア活動は、その手段です。特にキャンプは、さまざまなことが起こります。計画通りにいかないことが多々あります。それを自らの力で乗り越える経験が、スカウトの成長を促します。それは、スカウト自身が社会で活躍すべく自ら道を作っていくことに他なりません。やりたいことを実現する力をスカウトに身につけさせること、これがボーイスカウトです。確かにボーイスカウトの教えには『他人に奉仕せよ』、というフレーズが節々にあります。しかしこれは、「社会で活躍する=自分の行動が他人への助けとなる」という考えを説いています。決して、他人のために自らを犠牲にして奉仕せよ、国や社会のために身を削れと教えているわけではないのです。
これからの社会で活躍できる人材を輩出すること。その答えのひとつがボーイスカウトだと思ってやみません。
そうそう、ボーイスカウトには世界ジャンボリーという超ビッグイベントがあります。世界中のスカウト数万人が一堂に会して、キャンプをしたり交流したりするのです。
私は今まで、世界ジャンボリーがつまらなかった、という話を聞いたことがありません。世界中のスカウトから刺激を受け、新たな価値観を自ら体験し、生き方が変わるほどの経験をするスカウトがたくさんいます。ちょっと海外旅行してきた、短期留学してきたという表面的な国際交流では得られない濃密な体験が、そこにはあります。(という私も行ったことはないけど…)
会場はだだっ広い野外にもかかわらずWiFiも完備され、スカウト同士、SNSなどで積極的に海外の友達を作るようです。そこから新たな人生が花開くことを願ってやみません。
(カブ隊副長M)
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